ご挨拶

このたび、日本バレエ団連盟は、文化庁「大規模かつ質の高い文化芸術活動を核としたアートキャラバン事業」の一環として、2021年7月から2022年1月にかけて、7つのバレエ団による全32公演を全国28カ所の劇場にお届けすることとなりました。

この文化庁のアートキャラバン事業は、コロナ禍における文化芸術界の活性化や、地域の文化芸術の振興推進を目的としてさまざまなジャンルの芸術団体で実施されるものです。 日本バレエ団連盟としては、ぜひこの機会に日本のプロフェッショナル・バレエ団による魅力あふれるバレエ公演の力で全国に希望を届けたいと考え、加盟団体の力を合わせてこの事業の実現に向け取り組んでまいりました。

日本の代表的なバレエ団の活動拠点やバレエの上演に適した機構を備えた劇場は大都市圏に集中しており、国内各地の劇場でバレエ公演を鑑賞していただける機会は、なかなか増えない状況にあります。本事業によって、このような大規模なバレエ公演をこれまで上演機会が少なかった地域や劇場で実現できることになりましたのは、今後のバレエ界の発展につながる大きな一歩だと感じております。

本事業でお届けするバレエ公演の演目は、いずれも幅広い層のお客さまにお楽しみいただける、大規模で質の高い演目です。各バレエ団のマスターピースといえる作品を、自信を持ってお届けいたしますので、この機会に一人でも多くの方にご覧いただけますと幸いです。

お客さまに安心して劇場での生のバレエ鑑賞体験をお楽しみいただけるよう、万全な新型コロナウイルス感染症対策をとって上演いたします。ご来場の皆さまにおかれましても、ご面倒をおかけいたしますが、感染対策にご理解とご協力をお願いいたします。

最後になりましたが、本事業に助成いただいた文化庁、全国公演の実現のためにご理解とお力添えを賜りました各地の共催者の皆さま、各劇場の関係者の皆さまに心より感謝申し上げます。

参加団体

井上バレエ団

岡本佳津子 | Katsuko Okamoto

公演監督

岡本佳津子 | Katsuko Okamoto

メッセージ

文化庁のアートキャラバン事業の一環として、井上バレエ団は9月5日に長崎県佐世保市で「コッペリア」全3幕、来年1月23日に青森県三沢市で「くるみ割人形」を上演いたします。

コロナ禍にあって、私たち舞台芸術に関わる者の活動は様々な制約を受け、大勢の方に生の舞台を観ていただくチャンスが少なくなっています。そんな中でも「生の舞台を観たい」と言ってくださる方々の声に励まされて活動を続けております。今回、佐世保と三沢という、これまでには私たちの舞台を見ていただいてない地域で公演をする機会を得られましたことを幸いに思います。ダンサーにとりましても、貴重な勉強の機会になります。

どちらの地方でも趣旨にご賛同いただき、地元の劇場、学校関係者、バレエ関係者、音楽関係の皆様に力添えをいただいております。三沢市では市内の合唱団、バレエ教室の子供たちとの交流も計画しています。

初めてバレエを見る、という方も多くいらっしゃいます。また、コロナ禍においてはインターネット配信による映像でバレエを見ることも増えています。この機会に、劇場に足を運んで生の舞台を観ていただき、ダンサーの息遣い、音楽、舞台装置、衣裳、照明などを肌で感じていただけましたら幸いです。

日本バレエ団連盟が行った「バレエ鑑賞体験が子供たちにもたらす心の動き」という調査によりますと、生のバレエを鑑賞した小学生のうち7割以上がその印象を強く心に刻み、その後の意識にも変化が見られたと言います。今回のバレエ鑑賞をきっかけに、子供たちも、バレエを好きな方も、また初めての方も、一人でも多くの方が今後もバレエ、オペラなどの舞台芸術に親しみ、心を癒していただければ、こんなにうれしいことはありません。親子で、お友達同士で、ぜひご鑑賞いただきたいと思います。

このたび、アートキャラバン事業を実現するにあたりご尽力いただいた皆様に心よりお礼を申し上げます。こうしていただいた機会を、今後のバレエ界の発展に生かしていきたいと考えております。

小林紀子バレエ・シアター

岡本佳津子 | Katsuko Okamoto

芸術監督

小林紀子 | Noriko Kobayashi

メッセージ

舞台に戻ることができた昨年の10月、出演者、スタッフ、そして観客が同じ空間をともにすることの重要性を改めて感じました。そのこと自体に純粋な喜びがあったのです。

これから始まるアートキャラバン公演(2021年10月28日(木)、2021年1月27日(木):各務原市民会館大ホール)を私自身、とても楽しみにしています。アートキャラバン公演の演目には新たに振付を行う部分もありますので、東京での公演のための稽古スケジュールをうまく調整しながら目白のスタジオでのリハーサルプランを練っているところです。

私たちのカンパニーが行うアートキャラバン第1弾は、バレエ&オーケストラの魅力を一挙に楽しめる親しみやすいプログラムです。『My First Classics』と題して、ビゼーの『カルメン』、チャイコフスキーの『眠れる森の美女』『くるみ割り人形』『白鳥の湖』といったクラシックの人気曲からハイライト部分をラインアップして、お客様にご覧いただこうと思っております。

第2弾では、世界で最も人気のある振付家のひとりであるケネス・マクミランの『ソリテイル』(音楽:アーノルド)という作品を含めたフルサイズのバレエ・プログラムを準備しています。これまで小林紀子バレエ・シアターでは数々のマクミラン作品を上演してきていますが、そのたびに踊りに置き換われた様々なメッセージをたくさん受け取ることができると感じています。バレエ芸術から得られるそうした体験を、多くの方々に共感していただける機会になるよう良い準備をして劇場での公演を迎えたいと思っています。

貞松・浜田バレエ団

貞松正一郎 | Shoichiro Sadamatsu

芸術監督

貞松正一郎 | Shoichiro Sadamatsu

メッセージ

このたび、アートキャラバン事業の兵庫公演として、貞松・浜田バレエ団は「海賊」を公演させていただきます。

世界中がこのような状況の中、バレエ団初演となる作品をお届けすることは、たいへん身の引き締まる思いです。
多くの公演が中止・延期を余儀なくされるなか、当バレエ団は無観客となってしまったものはありましたが、幸いなことに予定していた全てのプログラムを開催することができました。公演活動を続けることで、ご覧いただくお客様に日常をひとときでも忘れ、生きる喜びや活力を感じていただけたらと願うばかりです。

今作は、海賊達のロマン溢れる冒険物語として、愛、友情と裏切り、葛藤、決意と様々な心情が交錯するスリリングな物語。オダリスク、夢の花園などの多彩な場面、「海賊」を代表する踊りのほか、海賊達の争いのシーンを新たに加え、よりエネルギッシュに作品を展開します。さらに、林なつ子氏((有)工房いーち)の衣裳により、オスマン帝国時代のエキゾチックな世界観を表現します。

主演は、ドラマティックな演技とダイナミックな踊りを併せ持つ上山榛名がメドーラ。コンラッドには、先日、第27回中川鋭之助賞を受賞し、魅力的なオーラを放つ水城卓哉。アリに、切れ味鋭い踊りが魅力の幸村恢麟。加えて、ギュリナーラにはバレエ団若手のホープ、名村空。ビルバントに円熟味を増す武藤天華、新たなランケデム像に挑戦する大門智など、それぞれのキャラクターが、ドラマの中でどの様に覚醒するか、ご期待ください。全幕を通して、ソリストからコールドまでバレエ団総力を上げて取り組みます。
また、びわ湖の風オーケストラとの共演は約2年ぶりに復活します。指揮には初共演となる井田勝大氏をお迎えして公演出来ることを、心から楽しみにしています。

これからも、舞台芸術が少しでも心を癒す一助となれば幸いです。

スターダンサーズ・バレエ団

小山久美 | Kumi Oyama

総監督

小山久美 | Kumi Oyama

メッセージ

バレエ「ドラゴンクエスト」はユニークな作品と言えます。30年以上にわたり絶大な人気を誇る国民的ゲーム「ドラゴンクエスト」を題材としており、いわゆるバレエのようなハイ・カルチャーと呼ばれるものとポップ・カルチャーが融合した点に注目をいただいています。

とはいえ、1995年の初演当時は、あまりにも夢中になる子供たちの様子が社会現象として取り上げられていた頃で、“ゲームは悪”という否定的な見方があるなかでこのバレエは誕生しました。作曲のすぎやまこういち先生は、子供たちが大好きなゲームだからこそ、それを通してオーケストラの素晴らしさを伝えたいと、ゲーム音楽をオーケストレーションされましたが、こうした愛情や信念が、いまや世界に誇る日本のポップ・カルチャーの隆盛につながったようにも感じます。

私たちのバレエ「ドラゴンクエスト」も、この作品への愛情と信念を込めて、多くの一般社会の方々へ広くお届けしたいと強く願ってきました。2019年には、日本文化とエンターテインメントの最新情報発信の場として世界最大規模であるJAPAN EXPO(パリ)において上演し、現代的でクリエイティブな舞台芸術としてパリの観衆を沸かせたと話題になりました。

折しも突然のコロナ禍で日本全体が疲弊するなか、今回の機会を頂戴することができました。バレエ「ドラゴンクエスト」は、11トン車3台+4トン車2台分、という大規模な舞台装置・衣裳が、地方公演実施の妨げとなっておりましたが、各地のみなさまへ直接お届けできる貴重な機会を存分に活用し、精一杯の舞台を務めたいと思っております。ぜひ、これまであまりバレエに馴染みのなかった方々にも足をお運びいただけますよう、劇場でお待ちしています。

東京バレエ団

斎藤友佳理 | Yukari Saito

芸術監督

斎藤友佳理 | Yukari Saito

メッセージ

コロナ禍が始まって以来、実演芸術は「不要不急」と見なされ、公演の中止や延期、あるいは観客数の制限など、公演活動を維持するためにさまざまな困難を強いられてきました。そんな中、コロナ禍対策として打ち出された文化庁のアートキャラバン事業によって、新たに公演の機会を与えられ、全国各地を巡演できますことは大きな喜びです。

東京バレエ団はすでに7月6日から19日にかけて〈HOPE JAPAN〉と題し、『ボレロ』を中心としたプログラムをもって10都市を回りました。どの公演でも、観客が生の舞台に対する渇望感があるせいか、『ボレロ』の後は毎回スタンディングオベーションがくり広げられました。出演者から観客に「希望」を渡し、観客がそれに返礼する光景のように見えました。長引くコロナ禍で、出演者と観客が一緒になって創る実演芸術の貴重さをあらためて思い知らされた気がいたします。

東京バレエ団はこの後アートキャラバン事業として、11月に金森譲の新作『かぐや姫』の新潟公演、12月に『くるみ割り人形』の全国8都市での公演が続きます。本事業による経験と実績をレガシーとして来年以降の活動にも反映しなければならないと思っています。 普段なかなかお目にかかる機会のない全国各地の観客の皆さまとお会いできるのがとても楽しみです。皆さまがコロナ禍に負けず、生の舞台の力で元気を取り戻し、希望を感じてくださることを願っています。

公演情報

新潟県

2021年11月20日 (土)

金森穣「かぐや姫」第1幕 世界初演/イリ・キリアン「ドリーム・タイム」

会場: りゅーとぴあ (新潟市民芸術文化会館)

神奈川県

2021年12月15日 (水)

「くるみ割り人形」

会場: よこすか芸術劇場

広島県

2021年12月21日 (火)

「くるみ割り人形」

会場: ふくやま芸術文化ホール リーデンローズ

香川県

2021年12月22日 (水)

「くるみ割り人形」

会場: 香川県民ホール レクザムホール

兵庫県

2021年12月24日 (金)

「くるみ割り人形」

会場: 兵庫県立芸術文化センター

鳥取県

2021年12月26日 (日)

「くるみ割り人形」

会場: とりぎん文化会館(鳥取県立県民文化会館)

静岡県

2021年12月27日 (月)

「くるみ割り人形」

会場: アクトシティ浜松

東京都

2021年7月3日 (土)
2021年7月4日 (日)

HOPE JAPAN 2021

会場: 東京文化会館

大阪府

2021年7月6日 (火)

HOPE JAPAN 2021

会場: フェスティバルホール

愛知県

2021年7月7日 (水)

HOPE JAPAN 2021

会場: 愛知県芸術劇場

山口県

2021年7月9日 (金)

HOPE JAPAN 2021

会場: シンフォニア岩国

福岡県

2021年7月10日 (土)

HOPE JAPAN 2021

会場: アクロス福岡シンフォニーホール

群馬県

2021年7月12日 (月)

HOPE JAPAN 2021

会場: 昌賢学園まえばしホール(前橋市民文化会館)

富山県

2021年7月13日 (火)

HOPE JAPAN 2021

会場: オーバード・ホール(富山市民文化会館)

京都府

2021年7月14日 (水)

HOPE JAPAN 2021

会場: ロームシアター京都

岡山県

2021年7月15日 (木)

HOPE JAPAN 2021

会場: 岡山シンフォニーホール

三重県

2021年7月18日 (日)

HOPE JAPAN 2021

会場: 三重県文化会館

福島県

2021年7月19日 (月)

HOPE JAPAN 2021

会場: いわき芸術文化交流館アリオス

東京バレエ団公式サイト

東京シティ・バレエ団

安達 悦子 | Etsuko Adachi

芸術監督

安達悦子 | Etsuko Adachi

メッセージ

この度、東京シティ・バレエ団はバレエ団連盟加盟団体としてアートキャラバンに参加し、熊本県で『白鳥の湖』を上演致します。昨年から新型コロナウィルスの終息がなかなか見えず、重苦しい日々が続いていますが、劇場でバレエの夢の世界に触れ、明るい未来を感じて頂けたら幸いです。

熊本県と当団との縁は、当団創立の時からバレエ団を牽引してきた前理事長の石井清子と、熊本バレエ研究所を主宰されている伴征子先生との出会いから始まります。1975年12月、熊本バレエ劇場『くるみ割り人形』全幕初演の振付を石井清子が担当し、以降、石井の振付と伴先生のご指導の下で上演を続け、今では熊本県の皆様に愛される公演となっております。また、当団公演としても『コッペリア』をはじめ多くの作品を上演した地でもあります。

今回は、共に熊本県出身の成長著しい吉留諒を王子に、濱本泰然をロートバルトに起用しました。オデットには斎藤ジュン、オディールには飯塚絵莉を配し、フレッシュな舞台をお届けします。

東京シティ・バレエ団設立メンバーの石田種生が遺した『白鳥の湖』は「大いなる愛の讃歌」という副題を掲げています。終幕で、オデットと王子が愛を貫き、白鳥たちと一緒に悪魔ロートバルトと戦い自由を取り戻す姿は、真実の愛の素晴らしさを感じて頂ける事と思います。

バレエに造詣が深い井田勝大氏の指揮、共に東京都江東区の芸術提携団体である東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団が奏でるチャイコフスキーの素晴らしい音楽と、煌びやかなダンサーが紡ぐ、見ごたえのある作品です。

これまで多くのダンサーを輩出している熊本の地で、バレエ団の総力を結集して創り上げる『白鳥の湖』を心行くまでお楽しみください。

牧阿佐美バレヱ団

三谷恭三 | Kyozo Mitani

芸術監督

三谷恭三 | Kyozo Mitani

メッセージ

ジャンルの枠を超えて多様な文化芸術団体が参加する、文化庁アートキャラバン事業のプロジェクトに参加できることを大変嬉しく思います。日本バレエ団連盟として日本全国で、これまでにない規模でバレエ公演を行い、牧阿佐美バレヱ団は2021年1月に仙台で「ドン・キホーテ」全幕を上演いたします。

バレエ団は、この機会を非常に楽しみに準備を進めています。その一つとして、「ドン・キホーテ」はジュニアのダンサーたちが踊るキューピッドの役があり、今回は宮城県でオーディションを行い、東北地方でバレエを学ぶ子供たちに参加していただくことにしました。参加する子供たちには、バレエ団の教師やダンサーと稽古やリハーサルを重ねながら、プロフェッショナルなバレエの舞台を創る過程を経験していただきたいと思っています。また、生徒さんの参加にご協力いただくバレエ教室の先生方とよい連携を築き、次代を担うダンサーの育成としても意義のある公演にしたいと考えています。

主役キトリを踊る阿部裕恵は、可憐な魅力と高い技術力を誇る仙台出身のダンサーです。相手役を踊る水井駿介も、ダイナミックに大技を繰り出すテクニシャンで、今回は初役のバジルを披露します。さらに「ドン・キホーテ」は、個性豊かなソリストたちが闘牛士や踊り子といった粋な役柄を演じ、スペイン情緒あふれる踊りを繰り広げる楽しい物語ですから、多くの方々にバレエの魅力を存分にご堪能いただけることと思います。

世界中を覆ったコロナ禍で、誰もが判断に迷い、不安な時間を過ごしています。劇場や舞台に関わる仕事は多くの国でとりわけ大きなダメージを受け、舞台芸術を愛する人々は我慢を続けてきました。その様な中、アートキャラバンの支援を受けて芸術家たちが全国に舞台を届ける意欲的な取り組みは、世界でも例を見ない試みではないでしょうか。私たちは今、出来得る限り最高の舞台を創ることで、withコロナの時代を生きる人々の心が求める、文化・芸術の力を届けたいと思います。

参加団体(オフィシャルサイト)

関連サイトリンク

文化庁「大規模かつ質の高い文化芸術活動を核としたアートキャラバン事業」では、バレエを含む11の芸術団体が、かつてない規模で全国での公演を実施いたします。
ぜひこの機会に、文化芸術をお楽しみください。